前回の記事で 冠詞の8つの使い分けルール を紹介したので今回はその続きで、無冠詞つまり冠詞が何もつかない状態になる条件を説明したいと思います。
Contents
無冠詞になる条件
固有名詞(人や国の名前)
固有名詞とはある一つのもとそれ以外を区別することができる名詞です。例えば、国名・人名・地名・アーティスト名・グループ名などが固有名詞にふくまれます。
つまり 固有名詞=なにかの名前 ということですね。
英語で固有名詞について書くときは大文字でスタートして冠詞は基本的になしになるのですが・・・
これには結構たくさん例外があるので下に例外的に固有名詞にThe を付けるパターンを箇条書きで紹介します。
- 普通名詞からは始まる国名
例;The United Kingdom、The People's republic of China、The Kingdom of Thailand - 複数形の国名と湖
例;The Philippines、The Netherlands、The Great Lakes - 固有名詞のホテルやビル名
例;The Taj Mahal、The White House - 山脈・運河・海・海洋
例;The Amazon River、The Pacific Ocean、The Alps - The Bay of ~、The gulf of ~で始まる湾の名前
- 普通名詞の地域名
例;The middle east - 半島
例;The Balkan Peninsula(Peninsula;半島)
すごく多いですけど頑張って覚えて下さい。ちなみに上の名詞にTheをつけ忘れてしまっても、文法的に正しいかはさておき意味は相手に伝わると思うのであまり神経質にならないで大丈夫ですよ。
不可算名詞
数えることのできない単語には冠詞を付けません。例えば
Water(水)、Information(情報)、Money(お金)
Art(芸術)、Air(空気)
これらは不可算名詞なので冠詞はつけません。スポーツ、言語、科目名も数えることができないので冠詞なしになります。
はじめて会話に出てくる名詞の複数形
話し手と聞き手の間に共通認識のない(まだ話題にあがっていない)名詞の単数形には a または an がつきますが、複数形の場合はなにも冠詞がつきません。
I have three coins. - Where did you get the coins?
私は3枚コインを持っている。 - どこでそのコインを手に入れたの?
She is living with two dogs. - She found the dogs on the street 3 years back.
彼女は2匹の犬と住んでいる。-彼女は3年前その犬たちを道で見つけたんだ。
どの例文もはじめての名詞が複数形で出てきたときは無冠詞、その後その名詞について話す時は定冠詞の The を使っています。
ちなみにこのルールは単複同形名詞という単数形でも複数形でも形が変わらない名詞にも適応されます!(Fish や Sheep など)
全体的・一般的に名詞をとらえる時
特定のものや人についてではなく、そのもの全般について話す時は冠詞をつけません。
例えばライオンという動物全般について話す時は
Lions are strong. ライオンは強い
と言い冠詞なしで特定の個体ではなく一般的にライオンという動物は強いと言い表すことができます。
他の例だと
Life is wonderful. 人生は素晴らしい。
The lives lost in the war. その戦争で多くの命が失われた。
1つ目の文では命・人生の全般について述べているので冠詞なし、2つ目の文では失われた特定の命について話しているので複数形で定冠詞の The がついています。
機能面の話をする時
名詞そのものではなくて、名詞が持つ機能に注目するときは冠詞をつけません。
機能を持つ名詞とはなにか?というと学校や病院、トイレがそれに当てはまりますね。学校の機能は勉強するところ、病院は手当てや治療、トイレは用を足すところという機能があります。
I am going to a school. 私はとある学校(建物自体)に行く。
I am going to the school. 私はその学校(建物自体)に行く。
I am going to school. 私は学校に(勉強をしに)行く。
1つ目と2つ目の文からは話し手が何をしに学校へ行くのかの目的が伝わってきませんが、3つ目の冠詞なしの表現にすると 勉強をしに・学生として という学校の機能を使いに行くニュアンスが含まれます。
1日の時間帯、曜日や月
Night(夜)、Afternoon(午後)、Monday(月曜日), Tuesday(火曜日), Wednesday(水曜日), January(一月), February(二月), May(五月)のような日の時間帯、曜日や月には冠詞がつきません。ルールとして覚えておきましょう。
At night 夜に On Monday 月曜日に In December 12月の
ただし その時間の間で を意味する時は In the night となり定冠詞の The がつきます。
At night や At afternoon という時は時間帯としての夜や午後の話をしていて、In the night や in the afternoon はその時間の流れの中(In)にいることを意識しているというニュアンスの違いがあります。
a/an、the、無冠詞を比べてみよう
不定冠詞・定冠詞・無冠詞を使って同じ文を比べてみましょう。
I like a dog. 私は(とある)犬が好きだ。
I like the dog. 私は(その)犬が好きだ。
I like the dogs. 私は(その)犬たちが好きだ。
I like dogs. 私は犬肉が好きだ。
最後の例文では冠詞を抜いて複数形にしたことによって機能面に注目していることになり 犬肉 という意味になってしまいました。
I like a girl. 私は(とある)女の子が好きだ。
I like the girl / girls. 私はその女の子・女の子達が好きだ。
I like girls. 私は女の子が好きだ。
これも同じで冠詞なしの複数形の最後の文は自分の恋愛対象の話になってしまっていますね。
無冠詞になる条件まとめ
この記事では無冠詞になる条件の詳細と、冠詞有り無しで同文の意味が変化するのかについて解説しました。
是非、前回の記事 冠詞の8つの使い分けルール と合わせて読んで冠詞の使い方をマスターしてください。
まとめ
無冠詞(冠詞をつけない)の条件
- 固有名詞
例外;普通名詞から始まる国名・地域名、複数形の国名と湖の名前など
例外の詳細をチェック - 不可算名詞
数えられない名詞、Water,Art,Air など - はじめて会話に出てくる可算名詞の複数形
- 全体的・一般的に名詞を捉える時
A lion や The lion/lions は 特定の単数もしくは複数のライオン
冠詞なしで Lions のみだとライオンという種族全般の話 - 機能面に注目するとき
冠詞あり;A school(学校の建物自体)
冠詞なし;School(学校の学ぶ場所という機能に注目) - 1日の時間帯・曜日・月
At night、On Monday、In January